店販が全く売れなかった美容師が、なぜ?

※2022年5月に書いた記事です。

取引先サロンの男性美容師Hさん(37歳)ですが、
彼は3年前に神奈川県にあるスタッフ2名の
サロンにスタイリストとして入社しました。

Hさんはカットの技術に自信があり、
3か月の新規リピート率も40%を
超えていましたので、売上は順調に
増えていくことが予想されます。

ただ、店販に関しては、今まで力を
入れて販売することはなく、
お客様から
「これちょうだい。」
と言われた時だけ商品を
販売してきました。

Hさんも店販の重要性は理解して
はいるものの、店販売上を伸ばすには
どうすれば良いかが分からず
入社当初は売上が伸び悩んでいました。

こちらのサロンでは、
店販商品の売上の5%~20%を
スタッフに還元するシステムでしたが、
入社後3ヶ月の店販比率
(店販売上÷総売上(技術+店販))
1.8%
と、典型的な店販に力を入れていない
美容師の売上でした。

しかし、2020年の5月からHさんは
店販売上を急激に伸ばします。

何をしたかというと、
別店舗で店販売上が得意なスタイリスト
Mさんに1日だけアシスタントでヘルプに
入っていただき、実際に商品を販売する
ところを見せてもらいました。

その時に、どうしたら販売できるか
というヒントを得て、
その後は、店販比率がどんどん上がり、
13%
を超えるまでになりました。

私は彼に、どんなところが参考になったの?
と聞いたところ、
「とにかく全員に案内すること。」
と答えました。

詳しく聞いてみると、今までは

「店販品を勧めると嫌がられて
失客するのではないか。」

と、どうしても店販を勧めるのに
気が引けていたが、
Mさんの販売方法を見て、

「お客さんに必要と思われる商品は
美容のプロとして案内しない方が失礼。」

という考えに変わったそうです。

必要のないものを無理に売るのは
論外として買う・買わないは
お客さんが判断すればいいことで、
本当にお客さんに良いものと思ったら
必ず案内することにしたそうです。

彼は人柄は抜群ですが、
話は上手な方ではなく、たどたどしく、
かなり不器用なタイプです。

話に行き詰まり、言葉が出ないことも
多いなか、愚直にお客さんのことを
考えて店販の案内をした結果、
彼自身も想像しなかった、

店販が得意な美容師

に生まれ変わることができました。

Hさんが取り組んだのは、
とにかく全員に案内する。
たったこれだけです。

Hさんは、
「今まで店販なんて本当に嫌だったし、
売ろうなんてことも思わなかったけど、
実際は簡単だった。」

「店販比率を10%超にするのは、
誰でもできますよ。」
と私に言いました。

実際に私の取引サロンの多くで、
この「必ず案内する。」というのを
実践して店販売上を大きく
伸ばしているサロンさんが
たくさんいらっしゃいます。

店販が苦手な人は、ぜひお声がけを
実践してみて下さい。
簡単に結果が出ますよ。

そしてそのきっかけを作ったMさんと一緒に
作った「店販・虎の巻」。

これを弊社の店販商品お買い上げのサロン様に
ご注文時にお送りしております。

最近注文しちゃったけど欲しい方は
ご連絡ください。

 

☎03-5761-3547

MAIL:info@majimena.jp

 

 

 

下記は実際のHさんの売上げ金額です。
ぜひ参考までにご覧ください。

年月 技術売上 店販売上 店販比率
2019年3月 64,3914 6,800 1.05%
2019年4月 492,023 7,200 1.44%
2019年5月 745,125 20,680 2.70%
2019年6月 681,842 47,680 6.54%
2019年7月 775,575 40,600 4.97%
2019年8月 800,158 42,300 5.02%
2019年9月 831,511 75,080 8.28%
2019年10月 859,965 41,800 4.64%
2019年11月 935,046 39,400 4.04%
2019年12月 1232,796 148,140 10.73%
2020年1月 828,987 59,100 6.65%
2020年2月 1,324,255 74,600 5.33%
2020年3月 1,263,428 52,500 3.99%
2020年4月 501,183 18,200 3.50%
2020年5月 583,974 88,300 13.13%
2020年6月 1,302,563 54,600 4.02%
2020年7月 1,260,003 155,700 11.00%
2020年8月 1,115,245 94,200 7.79%
2020年9月 993,788 113,500 10.25%
2020年10月 1,239,079 132,100 9.63%
2020年11月 1,116,302 110,500 9.01%
2020年12月 1,175,759 229,500 16.33%
2021年1月 831,935 61,300 6.86%
2021年2月 954,786 102,100 9.66%
2021年3月 1,240,859 169,900 12.04%
2021年4月 1,317,883 130,600 9.02%
2021年5月 1,269,913 124,800 8.95%
2021年6月 1,251,944 196,400 13.56%
2021年7月 1,286,467 112,800 8.06%
2021年8月 1,262,365 168,610 11.78%
2021年9月 1,221,483 163,100 11.78%
2021年10月 1,258,618 133,810 9.61%
2021年11月 1,218,175 167,800 12.11%
2021年12月 1,389,125 370,359 21.05%
2022年1月 933,904 53,300 5.40%
2022年2月 1,311,880 139,700 9.62%
2022年3月 1,571,028 245,800 13.53%

震撼!!酸化不足について実証実験してみたパート2

先日に引き続き、酸化不足実験です。

先日はオキシ2剤を使い、短い時間だと
仕上がりではわかりませんが、持ちに
非常に大きな影響があることが
わかりました。

そして、ブロム酸タイプでも実験して
みたところ業界震撼の結果となりました。

今でも多くのコールドパーマの2剤は
ブロム酸が主流ですよね。

そして放置タイムは7分/7分の二度づけ
が基本かと。

【仮説】
ブロム酸の放置タイムは本当は適正では
ないのではないか?

【実験方法】
・3本の毛束にそれぞれコールドパーマを
かけます。
・そのときの2剤の放置タイムを
7分/7分、11分/11分、15分/15分に
分けます。

これでパーマ工程は完了です。

・そのあとストレートアイロンで伸ばして
ブロム酸2剤だけを付けます。
・2剤だけでストレートになるようであれば
まだ酸化しきれていない(SS結合が再結合されて
いない)、つまり酸化不足と判断します。

では、実験!

①     3つの毛束を用意し、それぞれ13mmロッドで
パーマをかけます。
(シスチオ・15分放置)

 

②     2剤放置タイムを左から
7分/7分、11分/11分、15分/15分
でロッドアウトしました。
(ブロム液体2度づけ)

この時点ではそこまで大きな差はないように見えますね。

③     1日放置して自然乾燥後、アイロンをかけ
ストレートに伸ばします。
(180℃2回スルー)

④     2剤を塗布して10分放置後、流します。
(ブロムクリーム)

⑤     結果

適正だと思っていた7分/7分で
かなりダレています。。。

実は酸化の放置タイムはオキシにせよ
ブロムにせよ適正はもっと長いのかも
しれません。

ですがこれが常識になってしまうと
サロンワークはさらに時間が大変に
なってしまうと思いますので、
実験結果を踏まえてどうなさるかは
ご検討いただければと思います。

バックウェーブの原因の一つ!酸化不足について実証実験してみた

以前より、縮毛矯正後にバックウェーブ
してしまうという問い合わせをたまに
いただくことがあり、原因としては

【1剤の還元不足】
【2剤の酸化不足】

おおまかにこの2つになると思います。

1剤の還元不足はクセの強さや髪の太さ
に応じて調整することができますが、

2剤は基本的に過酸化水素(オキシ)か
ブロム酸で濃度も決まっていて、
放置時間もそれぞれ一定です。

弊社も右にならえで
「オキシは反応が早いので5~7分」と
マニュアルに記載しておりますが、最近
電話で説明する場合は
10分くらい置いた方が良いです、と
ご案内しております。

今回はそれを実験で評価してみたいと
思いまして、以下のようなものを考えて
みました。

【仮説】
過酸化水素の放置タイムが短いと
”酸化不足”になるのではないか?

【実験方法】
・3本の毛束にそれぞれコールドパーマを
かけます。
・そのときの2剤の放置タイムを
5分/10分/15分に分けます。

これでパーマ工程は完了です。

・そのあとストレートアイロンで伸ばして
2剤だけを付けます。
・2剤だけでストレートになるようであれば
まだ酸化しきれていない(SS結合が再結合されて
いない)、つまり酸化不足と判断します。

では、実験!

① 3つの毛束を用意し、それぞれ
13mmロッドでパーマをかけます。
(シスチオ・15分放置)

② 2剤放置タイムを
左から5分/10分/15分で
ロッドアウトしました。
(オキシ液体1度つけ)

この時点ではそこまで大きな差は
ないように見えますね。

③ 1日放置して自然乾燥後、アイロンをかけ
ストレートに伸ばします。
(180℃2回スルー)

④ 2剤を塗布して10分放置後、流します。
(オキシクリーム)

⑤     結果

結果をみると明らかに塗布後放置5分
では酸化不足と判断されます。

10分、15分でも少しカールが取れている
感じがありますので、本当は2剤での酸化
はもっと時間がかかるものなのかもしれません。

もしバックウェーブでお悩みの方は2剤の
放置時間を改めて考えてみると、改善する
かもしれませんのでご参照いただければ幸いです。